葉酸サプリの摂取上限量:医者も9割は間違える3つのウソ情報

めしぞう
めしぞう

こんにちは。葉酸サプリ辛口評論家のめしぞうです。

このページでお伝えする内容は次のとおりです。

それでは、これらの内容を超わかりやすく解説していきます。

前提:摂取上限量は「耐容上限量」

まず、「摂取上限量」は、正しくは「耐容上限量(たいようじょうげんりょう)」といいます。共通言語として、正確な言葉の意味を知っておくことは大切です。

耐容上限量とは「健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限」のことです[1]

わかりやすく言うと、「これくらいの量ならたぶん大丈夫」という意味です。

そんな耐容上限量ですが、ちょっとクセモノです。ネット上には間違った情報が出回っています。

そこで、よくある3つの間違いをピックアップして、正しい情報をお伝えします。

間違い1:葉酸サプリの耐容上限量は1,000μg

「サプリから摂る葉酸の上限量は1,000μg」

……勉強熱心なあなたなら、どこかで見聞きしたことがあるかもしれません。私も便宜上「上限量は1,000μg」とお伝えすることが多いですが、厳密に言うと間違いです…。すみません。

1,000μgなのは30歳~64歳の話です。18歳~29歳は「900μg」なんです

なので、20代で妊活する人は、摂り過ぎないように特に注意してください。これは葉酸に限った話じゃなくて、栄養素の推奨量や上限量は「年齢」で変わります。

間違い2:上限量を超えなければ安全

「なるほど。じゃ900μg未満に抑えれば、毎日飲んでも安全なのね」

……いいえ、それも間違いです。主な理由は次の2つです。

理由1:耐容上限量は異常値だから

耐容上限量は、ハッキリ言って「異常値」です。普通の食事をしている限り、耐容上限量に迫るようなことはほぼあり得ない、とんでもない量です。

そのとんでもない量でも「安全」と断言できる根拠があればいいですが、実は根拠が不十分なんです。

理由2:実は…科学的根拠が不十分だから

耐容上限量は「科学的な根拠」を元にした数値……じゃないんです。少数の「発生事故を根拠」とした数値です。

発生事故とは、「こういう健康被害が出た人を調べたら、この栄養素をこのくらい摂っていた」と、事故が発生して初めてわかったことです。

つまり、「800μgなら安全」「500μgなら安全」という検証はしていません。1,000μgの葉酸をたまたま飲んでいて発覚しただけなんです。

なので、厚生労働省は耐容上限量を「健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限」と表現しています。

断言できる根拠がないので、「みなされる」を入れてぼかしているのです。「みなす」とは、「仮にそうと見る」という意味です。「仮の数値」なのです。

さらに、健康障害が生じるリスクは「ゼロ」ではありません。「ゼロに近い」という表現を使って含みを持たせています。

たとえば、自然妊娠で双子が生まれる確率は0.6%です。二卵性の双子だと0.2~0.3%です[2]。ゼロに近い数字ですが、双子見たことありますよね?

私は小学校の同級生に双子がいました。普通に遭遇する数字です。

なので、「耐容上限量を超えなければ安全」「リスクはゼロに近いから安全」なんて言い切れないのです。

間違い3:上限量を超えなければ多いほどいい

もうひとつ、よくある間違いとして「多ければ多いほどいい」という誤解があります。

耐容上限量の安全性は科学的根拠が不十分だと理解した今なら、「多いほどいい」なんてリスキーだと気づけますよね。

実際のところ、厚生労働省やアメリカのCDCは「たくさん摂ればよいというものではない」と注意喚起しています[3][4]

これは葉酸に限った話じゃなくて、サプリで栄養補給する際の大原則です。推奨量を大きく超えた量を摂り続けるなら、

  • かえって体に負担をかけることがある
  • 特定の栄養素を大量に摂るメリットやデメリットはハッキリしていない
  • 今後の研究結果によって「良くないこと」がみつかる可能性

といったリスクも大きくなることも覚悟してください。

こういったリスクがあるのに、なぜ推奨量を大きく超える量を入れるメーカーが後をたたないのか……?答えは簡単です。

「多ければ多いほどいい」と思い込んでいる消費者がいるからです。他社より多く配合しているアピールをするだけで「売れるから」です。

企業のマーケティングの手のひらにまんまと転がされているわけです。

耐容上限量には「できるだけ近づけない」

耐容上限量は「この量を超えなければ安全」「この量を超えてはダメ」という意味ではありません。

より正しい意味は、「できるだけ接近することを回避する量」です。これが厚生労働省が通達している正確な情報です。

わかりやすく言うと、「この量に近づけるのはできるだけ避けて!」です。

狭義の葉酸で言うなら、900~1,000μgに近ければ近いほどリスクが高まります。近づけるのは耐容上限量ではないです。「推奨量」です。400μgに近づけることが「推奨」されています。

もう一度言います。近づけるのは「推奨量」です。

葉酸の耐容上限量は20代なら900μg、30代40代なら1,000μg。この数値からはできるだけ遠ざけるのが安心・安全です。

今回のまとめ

というわけで、今回は「葉酸サプリの摂取上限量:医者も9割は間違える3つのウソ情報」について解説しました。

ポイントをもう一度まとめます。

  • 葉酸サプリの耐容上限量は年齢によって変わる
  • 耐容上限量は科学的根拠を元にした数値ではない
  • たくさん摂ればいいのではなく、むしろリスクも大きくなる
  • 耐容上限量にはできるだけ近づけない

耐容上限量が設定されている栄養素は、耐容上限量からできるだけ遠ざけて、推奨量に近づけて摂るのが正解です。

次は「警告:葉酸サプリ取りすぎの危険性10大リスク。400μgを守りなさい」に進んでください。

葉酸サプリ買う前に読む7ステップガイド記事一覧

STEP1:そもそも葉酸って何?

STEP2:葉酸サプリの必要性を学ぼう

STEP3:葉酸サプリの摂取期間を知ろう

STEP4:葉酸サプリの適切な量を知ろう

STEP5:葉酸サプリのよくある間違いをなくそう

STEP6:葉酸サプリの正しい選び方を知ろう

STEP7:葉酸サプリを正しく飲もう

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参考文献
  1. ユニ・チャーム「双子妊娠の確率は?いつわかる?」(閲覧日:2023年3月14日)

  2. 厚生労働省「健康食品の正しい利用法(PDF)」