バイエル薬品株式会社が販売している葉酸サプリ「エレビット」。
買っていいのか、買ってはいけないのか。辛口でチェックしていきます。
エレビットって、どんな葉酸サプリ?公式情報
エレビット公式サイトでのアピールポイントをひとことで言うと、エレビットは、
「根拠がある葉酸800+の葉酸サプリ」です。
……そんな謳い文句、信じていいのかい?ダメなのかい?どっちなんだい?
エレビットを4つの評価項目に沿って辛口で採点したところ、次のような結果になりました。
エレビットの総合評価:
1.栄養 | 4.7 |
---|---|
2.安全性 | 2.0 |
3.純度 | 1.0 |
4.飲みやすさ | 4.0 |
栄養の充足率は良いけど、安全性に不安を感じてしまう…。
それでは、このような採点結果に至った理由を1項目ずつ解説していきます。
もっといい評価の葉酸サプリを探している人は、TOPページの「葉酸サプリ199商品の辛口評価」を先にチェックしてください。
1.エレビットの栄養充足度:
エレビットは妊活期~授乳期までを豪語する葉酸サプリなので、「妊活期」「妊娠初期」「妊娠中期・後期」「授乳期」の4つに分けて栄養バランスをチェックしました。
妊活期の栄養充足度
妊娠初期の栄養充足度
妊娠中期・後期の栄養充足度
授乳期の栄養充足度
主要ビタミン・ミネラル以外の栄養素材
銅0.9mg、マンガン1.0mg
銅は授乳期の評価に加点。マンガンは食事で不足することはないので、摂る必要ないです。
めしぞうの辛口チェック
- カルシウムが足りない。妊活中は月1イベントに欠かせない。妊娠中はマイナーなトラブルにも役立つ
- 妊娠中はマグネシウムがやや足りない。妊活中は月1イベントの前準備に欠かせない。妊娠中はマイナーなトラブルにも役立つ
- ビタミンB1クリア。妊活中は月1イベントをサポート。妊娠中の付加量にも対応できている
- ビタミンB2クリア。女性のバランス維持に必要。妊娠中の付加量にも対応できている
- ナイアシン、ビオチン配合。食事だけでも足りるが、葉酸が所属するビタミンB群としてまとめて摂れるのはgood!
- パントテン酸クリア。葉酸が所属するビタミンB群として、食事だけでは足りない分を満たせる
- ビタミンB6クリア。妊活中は月1イベントの前準備をサポート。妊娠中の付加量に対応できている
- ビタミンB12配合。食事だけで足りるが、葉酸が体内で消化・吸収・変換されるときに必要なので一緒に摂れるのはgood!
- ビタミンCクリア。妊活中は不足なく摂りたい。妊娠中も産後の新生児に影響するので必須。
- ビタミンAクリア。食事だけでは足りないので、βカロテン由来で安全に不足を補えるのはgood!
- ビタミンDクリア。妊活中は不足なく摂りたい。妊娠中もカルシウムとの関係で満たしておきたい
- ビタミンEクリア。妊活中は不足なく摂りたい。妊娠中期・後期は赤ちゃんに必要
- 鉄クリア。妊活中は不足なく摂りたい。妊娠中の付加量に対応できている
- 亜鉛クリア。妊活中は不足なく摂りたい。十月十日最後まで育てるには満たしておきたい。産後の亜鉛減少をカバーできる
- 銅クリア。授乳期に必要。
めっちゃ優秀。授乳期用の銅まで配合してる
2.エレビットの安全性:
エレビットに過剰な配合量、妊娠中や授乳中はNGの原材料、時期を問わず避けたい添加物が使われていないかチェックします。
過剰な配合はないか
- ビタミンB6が適量。摂り過ぎによる抹消神経障害のリスクを高めることなく栄養補給できる
- ビタミンB12が適量。摂り過ぎによるがん、死亡リスク、子どものアトピー、自閉症リスクを高めることなく栄養補給できる
- ビタミンEが適量。摂り過ぎによる死亡リスクや、妊娠初期に摂り過ぎて胎児の心疾患リスクを高めることなく栄養補給できる。
- 葉酸が上限量に肉薄。胎児の健康リスク高まる
- 妊娠中期以降も狭義の葉酸を推奨。しかも800μgで明らかに過剰。胎児の健康リスク高まる。
- β-カロテン多すぎ。死亡リスク高まる
- 鉄が多すぎ。妊活の邪魔となる活性酸素や体調不良の原因に
避けたい原材料はないか
食用精製加工油脂、マンガン含有ビール酵母/貝Ca、酸化Mg、セルロース、V.C、ピロリン酸鉄、HPMC、HPC、グルコン酸亜鉛、ステアリン酸Ca、酸化ケイ素、β-カロテン、ナイアシン、着色料(酸化チタン、カルミン酸)、ショ糖エステル、酢酸V.E、グルコン酸銅、パントテン酸Ca、グリセリン、V.B₆、V.B₁、V.B₂、葉酸、ビオチン、V.D、V.B₁₂
ここがダメ:EUで使用禁止の酸化チタンで着色
着色料として「酸化チタン」が使われています。EUでは「もはや安全とは見なせない」として、2022年2月から食品への使用が禁止になった添加物です。
詳しくは「私なら飲まない…プロが避けるNG葉酸サプリ13の特徴」を読んでください。
ここがダメ:アレルギー原因のカルミン酸で着色
カルミン酸でピンク色に着色しています。カルミン酸は、エンジムシという虫から抽出した「コチニール色素」という色素の主成分です[1]。
コチニール色素は、2012年に消費者庁が「急性アレルギー反応(アナフィラキシー)の原因になる」として注意喚起を出しています[2]。
その後も、コチニールによるアレルギーは増加傾向にあります[3]。
原因は、エンジムシに含まれるタンパク質なので、「えび」や「かに」でアレルギー症状が出る人は避けたほうがいいです。
安全性に懸念のある着色料を2つも使っているのは他に見たことがない。
3.エレビットの純度:
エレビットの原材料の純度(原産国と加工国)をチェックします。企業の情報開示姿勢、透明性、信頼性も図れるチェック項目です。
日本 | 中国 | 韓国 | 米国 | 欧州 | 他 | |
原産国 | **% | **% | **% | **% | **% | **% |
---|---|---|---|---|---|---|
加工国 | **% | **% | **% | **% | **% | **% |
めしぞうの辛口批評
ここがダメ:原産国も加工国も非公開
食品表示法で開示義務のある主原料・食用精製加工油脂の加工国(日本)以外、何ひとつ自主的に公開していません。
中身はどこの国でつくられた原料を使っているの?という謎のベールに包まれています。
原産国も加工国もすべて非公開…
4.エレビットの飲みやすさ:
エレビットの粒の大きさ、におい、味、のどごしをチェックします。
※飲みやすさの検証は、木村さん(2児の母)が担当します。
飲みやすさのチェックは私が担当します!
大きさ早見表
直径+厚み(mm) | サイズ感 | |
---|---|---|
~12.0 | 小さい | |
12.1~13.0 | やや小さめ | |
13.1~14.0 | 標準 | |
14.1~16.0 | やや大きめ | ←ココ |
16.1~ | 大きい |
におい、味、のどごし
におい | 味 | のどごし |
---|---|---|
4.0 | 4.0 | 4.0 |
木村さんの辛口批評
ここがダメ:粒がやや大きめ
粒は厚みがある円柱のような形で、小さくはありません。
ここがイイ:においがほとんどない
パッケージを開けると、コーヒーフレッシュのような、油っぽい甘いにおいが少しだけしました。1回分の3粒でもほとんど気にならない程度なので、つわりの時にも飲めそうです。
ここがイイ:味もほとんどしない
少しだけオブラートの味がしました。口入れても溶け出したりしないので、後味はありません。
ここがイイ:小さくないけどスルッと飲める
粒は小さくはないですが、1日分の3粒を一度に飲んでも引っかかる感じはありません。粒はとても固くてツルツルしていて、水と飲んでも溶け出したりしないで、するっと飲めました。
1日3粒なら、粒の大きさは気にならない。
エレビットの最終ジャッジ
評価 | 基準 | 採点結果 |
---|---|---|
評価A+(絶対買い) | 4.5点以上 | |
評価A(買い) | 4.0~4.49点 | |
評価B(条件次第) | 3.25~3.99点 | |
評価C(微妙) | 2.5~3.24点 | 2.93点 |
評価D(ガッカリ) | 2.49点以下 |
エレビットを一言で言うと、「EUで使用禁止の着色料を使用。葉酸も鉄もβ-カロテンも不必要に多い葉酸サプリ」です。
葉酸800μg、鉄21.5mg、β-カロテン7,200μg、酸化チタン、カルミン酸…ぜんぶ余計です。
メーカーは売るために「良いこと」しか言いません。「悪いこと」にも目を向けると、私は余計なものを摂り続けるデメリットのほうが上回ると感じます。
特に、私は二酸化チタンで着色したサプリは飲みたくないです。必ず原材料欄をチェックして避けています。
もちろん、EUの見解が絶対正しいわけではないです。ですが、現時点で安全性の疑わしき添加物をわざわざ選んで飲む理由がみつからないです。
そんななかで、エレビットの本社があるドイツ。EU加盟国のドイツ版のエレビットは、2022年から二酸化チタンは使われなくなりました。
そもそもドイツ版エレビットは、ちゃんと時期別に3つに分かれています。
日本版エレビットのように、妊活期から授乳期までずっと800μgの狭義の葉酸をすすめるなんておかしな売り方はしていません。β-カロテンが大量に配合されているなんてこともありません。
つまり、日本版エレビットは改良余地のある商品ということです。
エレビットを買うなら、このような不都合な事実を知ったうえで、買うべきかどうか検討したほうがいい。私はそう思います。
本国ドイツのように3つの時期別に分けて、最適なものを、最適な量で、最適な時期に摂れるようにリニューアルしてくれないかな…
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東京都福祉保健局「用途別 主な食品添加物 着色料」(閲覧日:2023年1月6日)
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東京都健康安全研究センター「コチニール色素に関する注意喚起」(閲覧日:2023年1月6日)
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ホーユー「2016年以降に確認されたコチニールアレルギー11例の解析」(閲覧日:2023年1月6日)