相談:現在妊娠25週目の妊婦です。日常生活でバランスの良い食事を取ることができず、下記4種類のサプリメントを妊娠初期から飲んでいます。
- Jarrow Formulas, メチル葉酸
- Natural Factors, ビタミンB6
- California Gold Nutrition, オメガ800 超濃縮オメガ3フィッシュオイル
- California Gold Nutrition, ビタミンD3
今になって遅いのですが、Webを調べていて過剰摂取になっているのではないかとても心配になりました。
出典:https://www.askdoctors.jp/topics/3721546
身体にいいものだと色んなサプリを取り続けたことに後悔しているのですが、胎児になにか影響がでる可能性はあるのでしょうか。
回答:胎児に悪影響が出る可能性あり
あとから過剰摂取に気づいてしまって不安ですよね。
結論から言います。胎児に悪影響が出る可能性はあります。
なぜかと言うと、ビタミンDが125μg。耐容上限量を超えているからです。
ビタミンDの過剰摂取リスクについては、過去の投稿「妊娠中、海外サプリでビタミンDを5000IU過剰摂取。胎児に影響は?」で解説済みなので、参考にしてください。
なぜ、その4種類なの?
それより私が気になったのは、
日常生活でバランスの良い食事を取れていない→「4種類の単体サプリを飲む」
という行動を取った理由です。
日常生活でバランスの良い食事を取れていない→「マルチビタミン・ミネラルタイプの葉酸サプリでバランスよく栄養を補う」
ならわかるのですが、なぜその4種類なのでしょう?
海外サプリの個人輸入おすすめしない
しかも、4種類とも海外サプリの個人輸入ですよね。妊娠中という大事な時期に、個人輸入のサプリを飲むのは、ハイリスクすぎます。
実際、今回の過剰摂取は海外のサプリを買ったから招いたことです。日本でビタミンD125μgのサプリなんて売られていませんので。
有名な「ビタミンAの過剰摂取で胎児が奇形になる」という話も、海外サプリが原因ですよ。
メチル葉酸のエビデンスは不明
葉酸も日本で販売禁止の「メチル葉酸」を飲んでますよね。メチル葉酸に信頼できるエビデンスないですよ。(※妊活中~妊娠初期のエビデンス)
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)も、「エビデンスがあるのは狭義の葉酸だけ」と強調しています。
私はサプリメントアドバイザーとして、エビデンス不明の葉酸サプリをおすすめすることはできません。
エビデンスが確立されている「狭義の葉酸」をおすすめします。
末梢神経障害リスクが上がる
「Natural Factors, ビタミンB6」のビタミンB配合量は100mg。これも耐容上限量を超えています。
オーストラリアでは10mgを超えるビタミンB6を含む商品パッケージには、警告表示が義務付けられています。
末梢神経障害(手足にしびれや痛みが生じる)を引き起こすリスクがあるからです。
推奨量の77倍ものビタミンB6…異常です
パッケージに警告表示…ビタミンB6の過剰摂取はお酒やタバコと同じです。
「ビタミンB6の摂り過ぎは、末梢神経障害を引き起こす危険性があります。よろしいですね?」
という問いに「はい」と言える人が取る行動です。
日本人なら耐容上限量は45mgです。推奨量は妊娠中で1.3mgです。
推奨量の77倍ものビタミンB6を摂るのはやめたほうがいいです。冷静に考えてください。「77倍」ですよ。多すぎです。
妊娠中にオメガ3サプリ?そんなの摂らないでいい
オメガ3脂肪酸に関しては、上限量は設定されていないので過剰摂取にはなりません。
これは安心して大丈夫です。
ただし、妊娠中にサプリで補う意味があるのかは疑問です。なぜなら、普通に食事をしていれば、オメガ3の目安量を軽く超えるからです。
妊娠中の目安量1.6gに対し、30代女性の食事の平均が2.01gです。余裕です。
そんなオメガ3よりも、食事だけでは確実に足りない栄養素(主要なビタミン・ミネラル)を補うべきです。
理由は「DOHaD」です。DOHaDについては、「妊娠前の女性が葉酸サプリ買う前に知っておくべき「DOHaD」の重要性」を読んでください。
今回のまとめ
- ビタミンD125μgは胎児に悪影響が出る可能性あり
- 海外サプリの個人輸入は過剰摂取の原因
- 日本販売禁止「メチル葉酸」のエビデンスは不明
- ビタミンB6を100mg→末梢神経障害リスク高まる
- DOHaD説に基づいて不足する栄養素を補うべき