相談:現在、妊娠4週後半ですが、3ヶ月前くらいから現在までビタミンDサプリを毎日、1日5000IU摂取していました。
2人目を望んでいたため葉酸サプリも飲んでいましたが、今確認するとそちらにもビタミンDが7ug含まれていました。
かなりの過剰摂取をしてしまったと不安になり後悔しています。
妊娠中のビタミンDの過剰摂取は胎児に影響がありますでしょうか。
出典:https://www.askdoctors.jp/topics/3778985
回答:妊娠中のビタミンD過剰摂取は胎児に悪影響
ビタミンDの過剰摂取、心配ですよね。
結論から言います。妊娠中のビタミンDの過剰摂取は胎児に影響あります。
数カ月にわたって毎日大量のビタミンDを摂取すると、カルシウムの吸収率が著しく上昇するからです。
その結果、血液中のカルシウム濃度が非常に高い状態(高カルシウム血症)となります[1]。
最悪、赤ちゃんが死んでしまう
母親が高カルシウム血症になると、胎児の成長が遅れます。
さらに出産後に「新生児低カルシウム血症」を引き起こす可能性があります[2]。
赤ちゃんが低カルシウム血症になると、赤ちゃんの意志とは関係なく手足がけいれんしたりします。
さらに、副甲状腺ホルモンの分泌が下がる合併症を引き起こして、最悪の場合は死に至る可能性があります[3]。
ただし、検査してもらって高カルシウム血症と診断されなければ、大丈夫だと思います。
このあたりは私の専門外なので、医師に相談してください。
個人輸入のサプリはおすすめできない
5000「IU」ということは、おそらく海外のサプリを個人輸入で買って飲んでいたのだと思います。日本ではビタミンDは「μg」単位で表記されるので。
海外のサプリの個人輸入は、完全に自己責任の世界です。
私も個人輸入で海外のサプリを飲んでいますが、何かあっても自分で解決できる人が取る行動です。
妊活中や妊娠中は「自己責任」の一言では済まない時期です。もう一人の命を預かっています。そんな大切な時期に、個人輸入のサプリを飲むのは全くおすすめできません。
個人輸入のサプリを飲むなら、授乳期が終わったあとにしましょう。
子供が食物アレルギーになるリスクも
葉酸サプリも飲んでいましたが、今確認するとそちらにもビタミンDが7ug含まれており
そもそも、5000IU(125μg)飲んでいた時点で過剰摂取です。日本はもちろん、アメリカ基準でも耐容上限量(100μg)を大きく超えています。
ビタミンDの摂り過ぎは、高カルシウム血症のリスクだけではありません。
子供が2歳になるまでに、食物アレルギーを発症するリスクが高くなる研究報告もあります[4]。
葉酸や鉄もそうですが、「多ければ多いほどいい」と勘違いしている人が多すぎます。推奨量や目安量に「足りない分」を補うのがサプリの役割です。
葉酸サプリで4.5μgがおすすめ
「めしぞうさん!では、妊娠中のビタミンDはどのくらい摂ればいいの?」
結論、サプリからは「3μg」補ってあげれば十分です。目安量が8.5μgで、食事から平均5.85μgなので、3μg取れば8.5μgを超えます。
ただし、ビタミンDは日光+食事で10μgが目安量です。
マスク生活で日光に当たらない人も増えているので、1.5μg追加して4.5μgにしておくと安心です。
食事平均5.9μg+サプリ4.5μg=10.4μg。目安量の10μgをクリアできます。
ビタミンDのサプリではなく、マルチビタミン・ミネラルタイプの葉酸サプリ1つで補ってください。
今回のまとめ
- ビタミンDの過剰摂取は高カルシウム血症の原因
- 胎児の成長に遅れが出たり、乳児に重大なリスクが起きる可能性
- 2歳までに食物アレルギーを発症するリスクも高まる
- 妊活~授乳中は海外サプリの個人輸入はやめる
- ビタミンDが4.5μg摂れる葉酸サプリを選ぶ