相談:日頃から健康のためにマルチビタミンサプリを飲んでいます。
妊娠が判明し、ビタミンAの摂りすぎにならないかが気になりました。記載されてる量はビタミンA 1,492μgでした。
ビタミンAでも成分がレチノールではなくβカロテンであれば問題ないとネットで見かけました。
ライフパックナノプラスの原材料の記載は下記のようになっていました。
精製魚油(チリ製造)、亜鉛含有酵母、クロム含有酵母、セレン含有酵母、α-リポ酸、ブドウ種子エキス、マンガン含有酵母、モリブデン含有酵母、銅含有酵母、パーム油、ヨウ素含有酵母、ヘマトコッカス藻抽出物、コエンザイムQ10、貝殻未焼成カルシウム、ビタミンC、サンゴ未焼成カルシウム、酸化マグネシウム、ビタミンE、ステアリン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ヘスペリジン、アスコルビン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、トマト色素、ナイアシンアミド、パプリカ色素、ビタミンB6、ピロリン酸第二鉄、ビタミンB1、ビタミンB2、β-カロテン、マリーゴールド色素、ビタミンA、葉酸、香辛料抽出物、ビタミンB12、ビタミンD
一応、成分にβカロテンと記載があり、このサプリのビタミンAの成分はβカロテンなのかなと推測したのですが、 妊娠中は避けておいたほうが良いでしょうか?
栄養素的に葉酸なども含めいろんな物が充分に含まれているので、問題なければ飲み続けたいなと思っています。
出典:https://www.askdoctors.jp/topics/3811984
回答:妊娠中はやめたほうがいい
マルチ商法のサプリはいろんな意味で不安になりますよね。
結論から言います。妊娠中はやめたほうがいいです。
なぜかと言うと、ビタミンA以外にも不安のある原材料や配合量になっているからです。
ビタミンAは妊活中から注意が必要
まず、ビタミンAですが、β-カロテンとレチノールのブレンド型です。1492μg中、レチノールはどのくらい占めているのかは不明です。
仮に100%レチノールだったとしても、耐容上限量2,700μgまでは余裕があります。
ただし、「1,492μgなら妊娠中でも安全」という保証はどこにもありません。
なぜなら、妊婦さんに対して「どのくらいまでなら胎児に障害が出ないか」なんて実験は倫理的にできないからです。
あくまで、3,000μgのビタミンAサプリで胎児の奇形発生の報告があったに過ぎません。
そもそも、ビタミンAは妊活中から摂り過ぎないように注意が必要です。妊活~妊娠初期は、
- βカロテン100%のサプリで補う
- 推奨量をちょうど満たせるくらいのレチノールで補う
どちらかにしておくのが安心です。
ビタミンE134mgは多すぎ
次に、ビタミンEです。134mgは多すぎです。サプリからは1mgで十分です。というか、妊娠初期はビタミンEをサプリで摂らないのがベストです。
なぜなら、妊娠初期にビタミンEを15mg以上摂ると、胎児が先天性の心疾患(心臓の障害)になる可能性が9倍になるという研究があるからです。
そもそも、妊娠関係なく、ビタミンEを134mgもサプリで摂り続けるのはおすすめしません。100.5mgを超えると死ぬ確率が高まる可能性があるからです。
こういうリスクを知ったうえで、「耐容上限量は700mgだから問題ないでしょ」と飲むのは自由です。
ですが、リスクも知らないで、「多ければ多いほどよい」と思っているなら考え直したほうがいいです。
耐容上限量ではなく、目安量(6.5mg)に近づけることをおすすめします。
葉酸600μgも必要ない
そして、葉酸。600μgは多すぎです。妊活中から600μg飲み続けていたならもう十分です。400μgの葉酸サプリに変えることをおすすめします。
500μgオーバーは、生まれた子がアトピーになるリスクが高まります。
厚生労働省は、あらゆるリスクを最小限にするために、恩恵が得られる最も低い数値の360μgを整えて400μgを推奨しています。
詳しくは、↓の記事を読んでください。
今回のまとめ
- ビタミンAは妊活中から注意が必要
- ビタミンE134mgは多すぎ
- 葉酸は600μgも必要ない