相談:現在妊娠14週です。
妊娠前から貧血があり、妊娠中もファイチをときどき服用していました。
内容量の確認不足で、葉酸が2mgも入ってるのを知りました。
それに知らずに葉酸のサプリ480μgも摂取してしまい、日によれば1日2480μg摂取していたことになり、驚愕して、とても不安です。 自閉症との関係もあると知り、心配になっております。
よろしくお願いします。
出典:https://www.askdoctors.jp/topics/3777378
回答:葉酸の摂り過ぎリスクは自閉症だけではない
ファイチの葉酸配合量、びっくりですよね。
結論から言います。葉酸の摂り過ぎリスクは自閉症だけではありません。
喘息、アトピー、認知発達の低下、食物アレルギー、妊娠高血圧症候群、などのリスクを高める可能性もあります。
詳しくは、めしぞうノートの「警告:葉酸サプリ取りすぎの危険性10大リスク。400μgを守りなさい」を読んでください。
妊娠14週に狭義の葉酸は不要
そもそも、妊娠14週に狭義の葉酸は不要です。おそらく、その480μgの葉酸サプリに配合されているのは狭義の葉酸ですよね。もう飲まないでいいです。
厚生労働省が推奨しているのは「食事性葉酸480μg」です。狭義の葉酸480μgではありません。今すぐ、食事性葉酸100%の葉酸サプリに変更してください。
妊娠中期に狭義の葉酸をサプリで摂るなら、100~120μgだけでいいのです。480μgはもちろん、400μgでも多いです。
ハイリスク群なら5,000μgだけど…
もし、私が妊婦だとしたらファイチは飲まないです。
まず、葉酸2,000μgは耐容上限量の2倍だからです。
ハイリスク群(過去に神経管閉鎖障害を持つ子を妊娠した)の人なら、医薬品のフォリアミン(1錠5,000μg)を処方されます。
それでも、妊娠12週目まででやめることが推奨されています。そのくらいリスクがある量だからです[1]。
ハイリスク群でもない人が、妊娠14週になっても耐容上限量を超える葉酸を摂る…。リスクのほうが大きいです。
酸化チタンが入っているファイチ
ファイチの不安要素は葉酸の量だけじゃありません。摂りたくない添加物が2つ使われています。
ひとつは「酸化チタン」。2022年からEU加盟国は食品添加物としての使用が禁止になりました。「もはや安全とはみなされない」との理由です。
ただ、アメリカやオーストラリアは「その判断はおかしい」と主張しています。日本も今のところ「安全」という判断です。
賛否の分かれるいわくつきの酸化チタン。EUの判断が覆されない限り、私は極力避けるようにしています。
赤色102号が入っているファイチ
もうひとつ、摂りたくない添加物として「赤色102号」が使われています。ファイチの真っ赤な錠剤は、この赤色102号で着色されたものです。
赤色102号は、子どものADHD(注意欠如・多動症)との関連が疑われています。そのため、アメリカ、カナダ、ベルギーなどでは使用が禁止されています[2]。
イギリスでは禁止まではされていませんが、「子供の活動や注意力に悪影響を与える可能性があります」という警告文をパッケージに表示することが義務づけられています[3]。
日本は野放しです。
そのようないわくつきの赤色102号。私が妊婦なら飲みたくないです。
1日2480μg摂取していた影響は?
自閉症やADHDがわかるのは、3歳児健診あたりだと思います。結果は3年後になってみないとわかりません。
ただし、問題が出る可能性は低いと思います。ファイチを毎日欠かさず妊娠14週まで飲んでいたのではなく「時々服用」していたからです。
蓄積されるタイプの狭義の葉酸でも、時間の経過とともに体外に出ていってしまいます。なので、毎日飲み続ける必要があります。
いずれにしても、妊娠14週に必要なのは「食事性葉酸」です。今すぐ食事性葉酸のサプリに乗り換えることをおすすめします。
今回のまとめ
- 妊娠14週に狭義の葉酸は不要
- 葉酸の摂り過ぎ10大リスクはめしぞうノートで確認
- めしぞうが妊婦ならファイチは飲まない
- 妊娠14wからは食事性葉酸に乗り換えること
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日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン―産科編2020」(閲覧日:2023年8月12日)
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NHS「Food colours and hyperactivity」(閲覧日:2023年8月12日)